熟達した経験、訓練、マイスターから次の世代への知識の受け渡しによって、最高級の音作りの伝統を守り、進歩を続けるベヒシュタイン。そのベヒシュタイン社が、「高品質・低価格」という新コンセプトのもとで設計したピアノがW.ホフマンです。

ヨーロッパ製ならではの厳選された高品質の材料を用い、正確かつ卓越した技術で作られるホフマンは、ベヒシュタインの延長線上にありながら、価格的にも魅力あるピアノとして、多彩な音楽をプロデュースします。

ホフマンの工場は、ベヒシュタインのエンジニアとマイスターによるR&D(リサーチ&デベロップメント)セクションで設計され、ドイツ・ザクセン州のザイフェナースドルフ工場の技術チームの協力のもと、そこから車で1時間程の距離にあるチェコ・フラデツクラロベのベヒシュタイン・ヨーロッパ工場で製造されています。


ベヒシュタインの響きを継承する
ホフマンのピアノ作り

製造には精密な工作機械と手作業のコンビネーションが取り入れられています。
現代の技術を取り入れることで低価格を実現しながらも、音色を作る工程には昔ながらの職人のこだわりを忘れない工夫が、演奏者の意図する表現を可能とします。

自然の素材

  • アクション
  • ベヒシュタインコンセプトで
    製作されるサウンドボディ

ベヒシュタインの美しい色彩感ある豊かな響きを造るために木の素材は必然です。
安価に仕上げようが、その部分に妥協してしまえばベヒシュタイングループとしての価値はありません。
響きの本質に同レベルの価値を求めるために、ホフマンの素材のほとんどは、ベヒシュタインと同じものが選ばれます。

鉄骨とアグラフ

  • C.BECHSTEIN Classic118
  • W.HOFFMANN T-122

ホフマンは、ベヒシュタインと同じ音響特性に優れる「鼠鋳鉄」という鉄骨を使用します。
ネズミ鋳鉄は振動の吸収性が良いため、金属特有の固有振動が押さえられるとともに、鉄骨の振動が弦振動を増幅させる効果をもたらします。大量生産に向かないこの素材は、長期間の戸外でのシーズニングが必要です。
又、透明感ある響きを実現するため、ベヒシュタインのゴールドラインと同じく、アグラフというブリッジを使用します。

除響板とカット・オフ・バー

アップライトピアノの除響板、グランドピアノのカット・オフ・バーは、ベヒシュタイン特有の透明感ある響きを実現するために必然の工程になります。この装置は、響板内での音の乱反射を避けると同時に振動の効率を高めるのです。 製造過程において数工程余分にかかってしまい、決して生産性が高い構造とは言えません。しかし、コストを追求しても妥協を許さぬ響きへのこだわりが、ここにあるのです。

【写真・画像の出典】
ベヒシュタイン ホームページ 他